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趣意
国連CEFACT日本委員会
一般社団法人サプライチェーン情報基盤研究会 設立趣意書
1.背景
2009年度から進められてきたビジネスインフラ整備事業では、大企業と中小企業の双方が、業界や 系列を超えて自由自在に情報交換や情報共有ができる「望ましい業界標準EDI」構築のために「業界横断 EDI仕様」を策定し、わが国製造業の情報共有基盤の構築が進められているところである。
そんな中、2011年に起きた東日本大震災やタイの洪水の影響で、必要な部品・材料の調達ができない 企業が国内のみならず全世界的に広がる、いわゆるサプライチェーンの寸断が発生し、多くの企業における 部品・材料の調達に混乱が生じた。このような国内およびグローバルなサプライチェーンの脆弱性に対処する ためには、完成品メーカーから国内外に拡散しているサプライチェーンの末端の部品・材料メーカーまで情報 システムの活用が広がり、サプライチェーンにおける情報連携によりその全体最適や安全性を追求できるような 基盤整備の必要性が改めて認識されたところである。
またサプライチェーンにおける部品・材料の調達や製品の販売を商流とすれば、商流に必要なお金の流れ 金流もサプライチェーン情報基盤として重要である。サプライチェーンの動脈である商流と静脈である金流が スムーズに流れるためには、金流と商流が同期するよう金流と商流の間で情報連携を行える基盤整備が必要 となっている。
この意味で、業界や国を超えた情報連携を可能とするビジネスインフラは、国境や業界を超える企業間 情報連携基盤として期待されており、このようなニーズに応えるための国際相互運用性要件を新たに充足する ことが必要となっている。
国連CEFACT日本委員会は1990年設立以来、国連CEFACTにおける貿易円滑化と電子ビジネスに関わる 標準策定につき日本を代表して参画するとともに、AFACT(貿易円滑化と電子ビジネスのためのアジア太平洋 協議会)を通じてアジアにおける国連CEFACT標準の啓発・普及のために貢献している。上記の国際相互運用性 要件を新たに充足する組織として、国連CEFACTおよびAFACTとのコラボレーションは必須であり、グローバルな 企業間情報連携基盤につき研究を行う新たな組織を、国連CEFACT日本委員会の配下に位置付ける。
2.目的
我が国の企業が海外との取引、または海外への進出において、日本と対象国のサプライチェーン情報基盤 の相互運用性を確保することにより、相互の企業にとってサプライチェーンの安全性と効率化を図り、日本を含む 取引関係各国が形成する経済産業ネットワークの構築により、国際経済社会の成長を牽引することを目的 とする
3.体制
国連CEFACT日本委員会の下に一般社団法人サプライチェーン情報基盤研究会を位置づける。一般社団サプライチェーン情報基盤 研究会は、国連CEFACT日本委員会運営委員会の指導に基づき、研究会会員による会費により自主的 に運営する。
4.活動
4.1 各国サプライチェーン情報基盤の相互運用性を確保するための国際標準化の推進。
4.2 国際標準に基づく我が国サプライチェーン情報基盤の推進。
4.3 国際標準に基づく各国サプライチェーン情報基盤の構築提案。
4.4 グローバルサプライチェーン情報連携のニーズ調査。
4.5 グローバルサプライチェーン管理の研究。
4.6 サプライチェーン情報基盤となる金流商流の情報連携基盤の検討。
一般社団法人サプライチェーン情報基盤研究会 発起人
2014年12月16日
森田 勝弘内閣官房 政府CIO補佐官
堀内 一UMLモデリング推進協議会
菅又 久直ビジネスインフラ研究所